2018年7月10日公開



 娘のドライブで、三嶋大社~源兵衛川と廻ってきました。途中、静岡県内ではチョー有名なハンバーグレストランで腹ごしらえをし、いざ伊豆の国一之宮である三嶋大社に。ご祭神は大山祇命(おおやまつみのみこと)と、事代主命(ことしろぬしのみこと)ですが、大山祇命=恵比寿さまということから商売繁盛、事代主命は天皇家の守護神として、菊花紋章が至る所にありました。


 まめに記録している絵馬の収集から。官幣社ということもあり、奇抜なものはありませんでしたが、三面恵比寿や、源氏旗揚げ絵馬は三嶋大社ならではの図案です。旗挙の絵馬は、源頼朝が当地において源氏再興の祈願をした故事に拠ります。


小槌を持つ大黒天と、魚籠を携えた恵比寿


源頼朝旗挙出奔絵馬


三面恵比寿。恵比寿は漁業の神様で、鯛がシンボル

 三島市街には古い商店が多く、門前からの散策でスナップしました。有名な懐古堂ムラカミ(旧村上用品店)をはじめ、看板建築の名作揃い。写真のいくつかは、三島市の歴史的建造物の指定を受けています。


 三島市街には、湧水池を中心とした親水公園がありますが、そのうちの楽寿園は、小松宮彰仁親王別邸として明治23年に造られ、昭和27年に三島市立の公園となったとあります。楽寿園の中央に小浜池という湧水池があり、これが源兵衛川の水源となっています。近年は湧水も枯渇し、満水となることは滅多にないようです。この日も池底の三島溶岩が露わとなっていました。









 さて、楽寿園には鉄ネタがふたつ。ひとつは豆汽車C58322号、もうひとつは実物のC58322号です。豆汽車は動物園を囲むようなエンドレスの線路が敷かれています。”楽寿園 豆汽車”をネットを調べてみると、この列車はニチゴ(旧日本娯楽)製とのことで、機関車は最近まで青く塗られていてBEANS TRAIN号(豆汽車号)と称したようです。この日は待っても乗客なく、運転の様子は見られませんでしたが、動力はモーターとなっているようです。ただし、電源はバッテリーではなく、レイルが3本敷かれているので、三相三線式で給電していると思われます。


 実物のC58322号です。非常に整備状態がよく、静態保存機によくある、部品の盗難など荒らされた雰囲気が感じられません。とくに運転室内は計器類が揃っています。C58323号整備の状況等は、こちらのFacebook(C58323保存の記録)が参考になりました。C58322号は1942(昭和17)年汽車会社にて製造、1971(昭和46)年廃車、敦賀第一区が最終配置区(ただし前掲Facebookによれば鶴見機関区が最終配置で、東レ専用線をつかって当地に搬入したという情報もあり)ということで、小浜線で活躍した機関車ではないかと思われます(二俣線にも一時転出しているので、一応静岡県とも縁はあり)。















 楽寿園を出ると、すぐに源兵衛川の散策コースの案内がありました。源兵衛川は中郷温水地までの1.5キロのかんがい用水路です。今回は途中、広瀬橋まで辿っています。三島市のHPによれば、源兵衛川は室町時代、地元豪族であった寺尾源兵衛が灌漑水路として開削したもの。2016年には世界灌漑施設遺産として登録されていますが、すこし以前までは生活排水の流入等で、ドブ川となっていた時代もあり、清流に戻るまでには地元の方の努力があったとあります。川中に設けられ飛び石を歩いていると、三島の街中とは到底思えないほど、清冽な散策路となっていました。


すべて2018年6月撮影

  
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